- hitoodoru kikaku
好きなように焼かせないお好み焼き屋のおばちゃんに学ぶ
キャンプ場運営支援のヒトオドル企画です。
キャンプ場はその昔「野外活動」や「自然体験」などの教育としての側面から日本各地にできました。しかしながら現状はその多くが創立当時の理念とは全く別の意図で運営されているようです。
特に民間の宿泊業が醸成していない地域では、そのキャンプ場が観光促進の柱としてホテルの代わりとして運営されていることもしばしばあります。
宿泊ができる施設ですので、当然なのですが、正直なところお客様の中には宿泊ができることによって「ホテル」や「旅館」同等のサービスを求める方がいらっしゃいます。
近年廃れてしまっているキャンプ場の理由の一つとして考えられるのが、このギャップによる顧客離れです。
お客様とのギャップを埋めるためにやったこと
当施設は管理棟すらなかったところを1棟の宿泊用バンガローを管理棟に作り替えたりといったかなり後付け施設です。
今現在も、足りないものを指摘されることがしばしば。
ただし、そのご指摘も指定管理を受けた直後と今現在とでは内容が少しずつ変化していっており、好ましくなってきました。以前に比べると格段にキャンプをする方が必要とされるサービスについてのご要望が増えてきたのです。
指定管理を受けた当初は上記のように宿泊施設としてご利用いただく方が多かったのですが、同時期にすぐ近くにホテルが開業したこともあり、施設しての差別化に舵を切り、よりキャンプ場だということを前面に出し始めたことがきっかけでした。
キャンプをするための施設ですよー、というメッセージをウェブサイトやメールの署名欄に記入したり、お電話でのお問合せでも宿泊が目的のお客様だということがわかれば、そのすぐ近くのホテルを紹介するようにしました。
これは今であれば「なんて単純な・・・」と思うことですが、目の前の顧客を失う、ということでもあるのでためらいがでるのも不思議ではないでしょう。
またお客様の利用目的を制限するような気がして、そこもまた気が引けたりするのです。
しかし、昨今では簡単に口コミやレビューが書けるようになりましたが、施設にとって不満があるお客様の口コミを見ると総じて当施設の説明、案内を理解していない、ということが共通していることが分かりました。
それこそがギャップやミスマッチの正体でした。
ベッドがないお部屋ですが、旅館のようにお布団を上げ下げすることもすべてセルフサービスですから、単に宿泊だけですとホテルや旅館の質にはとてもかないません。
逆に、1棟貸しで自炊もできて、目の前に自然があり、その中で焚火もBBQもできるのが当施設だということを強調しました。
また、ご予約の時点で当施設がどういう施設かというのを把握していないお客様からのご質問にはその時点で「ギャップがあるといけないので・・・」と、少し強めにご案内しております。
時々テレビで見るような好きなように焼かせてくれないお好み焼き屋のおばちゃんみたいな感じでしょうか?
そのおばちゃんはおばちゃんが思う一番おいしく食べられる方法をお客様に教えたいんだと思います。
